ドイツ語情報世界を読む―新聞からインターネットまで伊藤 光彦
白水社 刊
発売日 2001-03
ドイツ語学習の意義についてヒントをくれる良書 2003-10-05
英語万能の感がある語学学習の中で,ドイツ語学習を続けていくことの意義についてヒントをくれる一冊です。本書はドイツ語圏の新聞やインターネット上の記事を題材に選び,それらを読み解くための丁寧な解説がされていますが,本書が目的とするのは単にドイツ語の読解能力を上げるという程度のものではありません。また,頑張って本書を通読しても,それだけでドイツ語の能力が向上する訳ではありません。しかし,少なくとも,それだけでインターネット上にあふれているドイツ語情報をバリバリ読んでみようという勇気ぐらいは湧いてくるはずです。
本書に取り上げられている記事も興味深いものばかりだったため,これらの音声を収録したCDも欲しいという気もしましたが,本書でも薦められているように,?!?ンターネットを活用すれば,多くのドイツ語情報が音声でも手軽に入手可能な時代です。このような作業のヒントになるインターネット上のドイツ語情報のリンク集も紹介されていますので,大いに参考になることと思います。
最後に,著者が望んでいる本書の目的を下記に引用しておきます。このような期待にこたえられるよう,お互いに頑張りましょう!
お薦めは,現代ドイツ語を手段とした自分自身の情報専門分野を構築しよう,ということです。そして3年後か5年後,あるいは10年後には,皆さん自身が修業の成果を世の中に発表していただきたいのです。大げさに言えば「ライフワーク」です。(本書229ページ)
蓄積されてゆく皆さんのドイツ語能力を手段として,一人ひとりがドイツ語圏のなんらかの分野について!の専門家になることをめざしてほしい,ということです。(中略)これによって,ドイツ語をコツコツと学習し続ける目的がはっきりします。ドイツ語情報を収集し,何とか読みこなして,自分のアタマで考察を加える,気付いたことを記録してゆく。このような作業は愉しいことです。(本書235ページ)
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