初級から上級まで使える完全マスターハングル会話林 鐘大
DHC 刊
発売日 2005-12
前作にくらべると… 2006-02-06
著者の前作「初級から上級まで学べる完全マスターハングル文法」は、中級くらいの学習者にぴったりの文法説明だった。
期待の第二作だったのだが、正直いって、ちょっと拍子抜けである。
前作の「モウム」というグループ分けは、新しい考え方で、かつ役にも立ったのだが、今回の「モウム」は日本語のアカサタナ行ごとに、無理やり内容をこじつけた感じ。
斬新な本をつくろうという努力は買うのだが、読者的にはわかりにくい。
前作は「文法」の本だったので、巻末にあるハングル文法からひける索引は役に立った。
しかし、今回は「会話」で、「モウム」も日本語から作られている。「〜するぞ」の「ぞ」を韓国語で言うとどうなるか、という日本語からの翻訳文を対象としてあるのに、索引はハングル文法なのである。これにはおどろいた。目的となる語がなんであるかわからないから調べたいのに、それを調べるにはかたっぱしから読むしかない。索引はまったく使えないと思っていい。
また、前作と原稿がまるっきりかぶっているところがあるのも、手抜きのような印象を受けた。読者がかぶるのだから、例文は違うものにしてほしかった。
前作は中級者にとってはとても役立つおすすめ本だが、本作は微妙である。
前作同様、二通りの意味に取れるような曖昧な日本語もあるし(前作はそれを差し引いても素晴らしい本だったのだが…)、著者より、編集がもう少し注意してチェックしてもらいたいものである。
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