ロシア語のかたち黒田 龍之助
白水社 刊
発売日 2002-01
隔靴掻痒の感あり 2005-06-12
別の初心者用ロシア語の本の初めの部分を読んでから、この本を、練習問題をこなしながら読んだ、ロシア語の初心者です。少しロシア文字(キリル文字)を知っている人には、難しい練習問題ではありません。私も、幾つかケアレス・ミスをしたぐらいです。しかし、全くロシア文字を知らない人が、練習問題で、ロシア文字で自分の名前を書け、と言われても、書けるかどうか。しかも、その答えは載っていません(当たり前のことですが、どんな名前の人がこの本を読んでいるのか分かりませんから、答えなど書けません)。この外にも、答えが無い練習問題があります。また、練習問題は、答えのみで、説明は一切ありません。
ロシア文字には、こんな面白い文字もありますよと言うことから始まって、町の看板でも読めればよいという意図の下に作られた本のようです。付録のミニCDは、ロシア語の音を紹介しただけのもので、これで独習など出来るわけがありません。嘘を書いてはいけません。
P.9とP.13の「キリル文字五十音表」(これは出色!)をコピーして、一日に何度も見返したり書いたりしていれば、一週間くらいで、簡単なロシア語の看板を読めるようにはなるでしょう。しかし、この本には、もう少し知りたいという部分が省略されていて、隔靴掻痒の感があります。
佐藤純一『初歩のロシア語』(昇竜堂出版)をCD付きで復刊してくれないだろうか。同じ著者の『NHK新ロシア語入門』よりも、遥かに分かりやすくて詳しい本で、私が眼にした初心者用の本では最良だったから。
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