CDエクスプレス スペイン語塩田 洋子
白水社 刊
発売日 1999-05
文法説明はちょっと不足気味 2004-04-05
大学の第二外国語の教科書風のつくりといえば、経験のあるかたにはお分かりいただけるのではないでしょうか。頁数は120頁を多少超える程度で比較的薄手の学習書ですが、他のスペイン語入門書が端折りがちな接続法現在までなんとかかろうじて取り上げています。会話例文は買い物や料理など日常のごく一般的な場面を取り上げていて、奇抜な表現は一切ありません。各課で取り上げた文法事項にまつわる練習問題が必ずついているので、これをひとつひとつやっていけば「ある程度のスペイン語」は身に付くでしょう。
しかし大学の第二外国語の教科書風ということは、これだけで独学でスペイン語を身につけるのはちょっとしんどいかもしれません。文法説明が足りないので、スペイン語の出来る人に先生になってもらって、ところどころ補足の説明を受ける必要があると思います。もしくは文法書をひとつ脇に置きながら、本書だけでは理解し切れない部分を自力で補う作業が求められるでしょう。
スペイン語は英語に比べて文法が難しいので、文法の学習に費やす時間も必然的に多くなりがちです。しかし文法の難しい言語はその文法を征服したときの喜びもまた大きい、と思うくらいの学習態度がちょうど良いと私は思います。動詞活用の(例外はもちろんありますが)規則的な美しさがとても魅力的だと感じ始めた途端、スペイン語の学習が急に楽しくなったものです。
付属CDはスペイン出身の男女二人が吹き込んでいます。まず入門者向けにかなりゆっくりと、そして次に同じ会話例文を今度はスピードをあげて、といった具合に必ず二度読んでいます。例文に出てきた単語や練習問題の一部も吹き込まれていて、CDはかなり丁寧に制作してあるという印象を持ちました。
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